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◆桐の植物学的な性質学名 Paulownia tomentosa(Thunb.)stend ゴマノハグサ科の落葉高木で、成長が早く、高さ8〜15m、直径40〜60pほどになる。 樹皮は灰白色で滑らか、美しい独特の模様(皮目)をあらわす。 葉は基部がハート形をした直径20〜45pの広い卵形で、先にとがり、全面に粘りけのある軟毛を密生する。 つぼみは前年にでき、褐色の毛に包まれて冬を越し、5月から6月に かけてうす紫色の花を咲かせる。 花は長さ5〜7pの筒状鐘形で、5枚の花弁を有し、おしべ4本、めしべ 1本の両性花である。 果実は先のとがった3〜4pの卵形をし、10月〜11月に熟してふたつに割れ、多数の小さな種子を出す。 種子は偏平で薄い翼を有し、長さ4〜5o、幅約3o。幹の芯には細い 空洞(髄孔)がある。 原産地は中国とされ、日本では北海道南部以南において植栽され、あるいは自生する。福島県の会津桐、岩手県の南部桐が有名である。 古くから良質の木材として重宝されており、下駄や箪笥、箏(こと)、神楽面の材料などになる。また屑を焼いて懐炉灰に用いたほか、樹皮は染料、葉は除虫用に使われた。 桐は鳳凰が棲む神聖な木として扱われ、天皇の家紋でもあった。また武家や大名の家紋や紋章の意匠としても取り入れられてきた。 学名のポローニアはオランダの女王の名前で、シーボルトが日本から桐の種子をヨーロッパに持ち帰ったおり、 東洋の皇帝の紋章である桐に、旅行のパトロンであった女王の名前を冠したところからついたものである。 花言葉は「高尚」。 江戸時代に書かれた「大和本草」(やまとほんそう)に「コノ木切レバ早ク長ズ、故ニキリト云ウ」とあり、その語源は「切り」にあるという。 近代以降も五七桐は「日本国政府の紋章」として大礼服や旭日章の意匠にとり入れられたり、菊花紋に準じる国章としてビサやパスポートなどの書類の装飾に使われたり、 「内閣総理大臣の紋章」として官邸の備品や総理の演台に取付けられるプレートに使われている。 ◆桐の性質・湿気を防ぐ 木材の中では、もっとも吸湿の少ない部類にはいる。 導管内のチロースが水の通りを妨げ、また繊維の膜の穴が小さいので、一度乾燥した後 は、水がなかにはいりにくい。 ・光沢が美しい 年輪が明瞭で、磨くと銀白色の美しい光沢(絹糸光沢)がでる。 ・軽い 水の比重1に対して桐は、0.3であり、国産材のなかでもっとも軽い。 細胞の膜壁が薄く、なかの空気層が大きいので柔らかく、持ち運びや取扱いに便利である。 同じ大きさなら、桐は欅の半分ほどの重さになる。 ・狂いや割れが少ない 木材の収縮率が大変小さいので、加工しやすく、はじめから精密に作ることができる。 タンスの引出しの一つを押し、その空気圧で上下の引き出しを前に出すなど、腕自慢の仕事が可能になる。 板目方向で約20%、柾目方向で約40%収縮率が小さい。 ・虫がつかない 桐の箱に入れておくと、中のものに虫がつかず、腐りにくいといわれている。 ・音の響きが良い 木繊維を始め諸細胞の膜壁か薄く、空間が多い(多孔質)ため、音響性に優れ、様々な楽器に用いられている。 ・熱が伝わりにくい 熱伝導が低いので、触ってひゃっとしない、保温効果も高い。 内側に空気層が多いため、燃えても表面が炭化しやすく、内部まで燃えるのに時間がかかる。 熱伝導はけやきの半分、着火点は杉や硬いけやきなどより高い。 ◆桐の特徴(2)1. 桐下駄 軽くて履きやすく、雨にあたっても痛まず、裸足で履く事が出来る。 軽いので疲れない。履いたときの柔らかい感触は絶妙である。 2. 鎧櫃 キリには鉄金具の錆防止、布類の防湿の効果がある。 3. 火鉢 軽くて運びやすい。火に強く(耐火温度は450度)、手で触っても冷ややかな感じを受けない木はキリだけである。 4. 非常に軽い 気乾比重が、0.1〜0.4。バルサ(0.1〜0.2)に次ぎ、世界第二位。 5. 軽い割合に強度がある スギに比べ、抗圧強で58%位。抗曲強70%程度の強さを持ち、摩滅に強い。 6. 防湿性が強い 湿気や水分を遮断する力が強いので、衣類や貴重品を保存する収納家具には必須の適材である。 7. 耐火性が強い 発火する温度は、400度位である。しかも、火がついても燃えにくいのが大きな長所である。 8. 耐朽性が強い 昔、棺桶や水桶に使われていた。それは、非常に腐りにくい性質を持っていたからである。 9. 音響性に富んでいる 多孔質で粘性を持っているので、音を伝える力が大である。 琴や琵琶などの楽器に使われている。 10.材質が優美である キリ材は、灰白色で木目が明瞭、表面をカンナで削ると、絹糸光沢を放って美しい。 11. 加工が容易である 材が柔らかく、粘りがある。切削や糊付きが良く、仕上がりは優良。 「欠点」 樹液が比較的多く、しかも特有の性質を持っているので、日光や空気に触れると黒変する。 従って、風雨にさらし樹液を滲み出させて、充分乾燥しなければならない。 桐紙を作る場合は、漂白して純白にする必要がある。 ◆解字形声・木+同 意付の木(き)と、音符の同じからなる。同じは筒に通じ、つつの意味。 花が筒状で、また幹の中心が筒のように中空になりやすい、きりの意味 を表わす。 同じはまた、軽い木の意味でもある。 ◆会津桐 ―沿革と特色―厳しい冬の寒さと、適度の温度がかもしだす風格と威厳…それが会津桐。 会津桐の歴史は古く、鎌倉時代から家具調度品や、家屋建築などに利用され栽培されるようになったと、いわれている。 会津においては、会津藩主保科正之候の時、家老田中玄宰が産業奨励の為、桐直樹や、会津漆の伸展に努力し、今日の隆盛をみている。 今日、日本では会津桐、南部桐等が有名だが、なかでも会津桐は、木質、色合い、柾目(木目が太く、柾目が良く出る)など、名実共に日本一である。 木質上、よく「けやきが木の王様ならは、桐は木の女王」といわれる理由は、桐自体が持つ品位と、やわらかで温かみのあることから来ている。 会津桐の特色 1. 木質が硬く、緻密である。 2. 桐材に、独特の粘りと光沢があり、柾目が素直である。 3. 材色が銀白色で材が重い。 4. 年輪が明瞭であり、木目自体が太く、柾目がきれいに出る。 5. 他産地に」比べ、木目が非常に美しい。 |
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