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◆木のあかりは、心をつつむ「気」のあかり


木のあかりギャラリー代表 林 久雄


 昨年秋喜多方市美術館で開催された「林久雄木のあかり展」で、桐の博物館の 館長さんから桐の木を使って木のあかりを作ってほしいとのご依頼を受けました。私の持っていた桐といういう木へのイメージは、非常に成長が早く、生命力が強い木である、そんな第一印象でした。
 一点は、大地に根をはり、空に向かってのびていこう、そんなテーマで製作した作品です。日本の文様である瀧縞格子を基にしてデザインしたもので、「生命の樹」そんなイメージを感じていただけたらいいなと思っております。
 もう一点は、木の持っているしなやかさを活かしたものができないか、ということで造り出した作品です。テーマは「アイ」。人を包みこむような愛であり、床に映し出される光と陰がEYE(目)である。
 格子を透かしてみえるモアレと、空間に広がる光と陰を楽しんでほしいと思っております。
 今回「桐」という素材を使ってみて感じたことは、適材適所という言葉はまさにあるのだと実感したのです。私の「木のあかり」にたいしては桐という材料は柔らかすぎ、粘りが少なく、軽すぎるなということです。
 自分が今製作のコンセプトにしているのは、組子という伝統的な木工技術を現代の生活空間に生かしたのものづくりをしていきたいというものです。組子は基本的には細い部材に溝をつけて組み合わせていく仕事です。そのため材料にはある程度の粘り、そして硬さを必要とします。作品として床に置いたときには安定感を必要とします。そんなことで今回は桐という素材を十分活かしきれなかったなという気がします。今後例えば軽さという特質を利用して空中に浮かすとか、もっと桐の長所を活かした作品を機会があったら作っていきたいなと思っております。


桐の明かり(桐の博物館展示品)




作者プロフィール 林久雄
1950年     山形県米沢市に生まれる
1969年 山形県米沢工業高等学校建築科を卒業     浦和建具工芸研究所で研究生として組子の研修
1972年   米沢市に帰り組子工房を設立
1998年 木のあかり開発グループを設立   受賞暦
1987年   工芸都市高岡'87クラフト展(高岡・東京)「グランプリ」受賞
1988年     朝日現代クラフト展(東京・大阪)「奨励賞」受賞
1989年   新山形ブランドコンテスト「大賞」受賞     山形県デザイン奨励賞受賞
1998年  山形エクセレントデザイン・セクション奨励賞受賞